保険法|第二章 損害保険
第四節 終了
(保険契約者による解除)
第二十七条 保険契約者は、いつでも損害保険契約を解除することができる。
(告知義務違反による解除)
第二十八条 保険者は、保険契約者又は被保険者が、告知事項について、故意又は重大な過失により事実の告知をせず、又は不実の告知をしたときは、損害保険契約を解除することができる。
2. 保険者は、前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、損害保険契約を解除することができない。
一. 損害保険契約の締結の時において、保険者が前項の事実を知り、又は過失によって知らなかったとき。
二. 保険者のために保険契約の締結の媒介を行うことができる者(保険者のために保険契約の締結の代理を行うことができる者を除く。以下「保険媒介者」という。)が、保険契約者又は被保険者が前項の事実の告知をすることを妨げたとき。
三. 保険媒介者が、保険契約者又は被保険者に対し、前項の事実の告知をせず、又は不実の告知をすることを勧めたとき。
3. 前項第二号及び第三号の規定は、当該各号に規定する保険媒介者の行為がなかったとしても保険契約者又は被保険者が第一項の事実の告知をせず、又は不実の告知をしたと認められる場合には、適用しない。
4. 第一項の規定による解除権は、保険者が同項の規定による解除の原因があることを知った時から一箇月間行使しないときは、消滅する。損害保険契約の締結の時から五年を経過したときも、同様とする。
(危険増加による解除)
第二十九条 損害保険契約の締結後に危険増加(告知事項についての危険が高くなり、損害保険契約で定められている保険料が当該危険を計算の基礎として算出される保険料に不足する状態になることをいう。以下この条及び第三十一条第二項第二号において同じ。)が生じた場合において、保険料を当該危険増加に対応した額に変更するとしたならば当該損害保険契約を継続することができるときであっても、保険者は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合には、当該損害保険契約を解除することができる。
一. 当該危険増加に係る告知事項について、その内容に変更が生じたときは保険契約者又は被保険者が保険者に遅滞なくその旨の通知をすべき旨が当該損害保険契約で定められていること。
二. 保険契約者又は被保険者が故意又は重大な過失により遅滞なく前号の通知をしなかったこと。
2. 前条第四項の規定は、前項の規定による解除権について準用する。この場合において、同条第四項中「損害保険契約の締結の時」とあるのは、「次条第一項に規定する危険増加が生じた時」と読み替えるものとする。
(重大事由による解除)
第三十条 保険者は、次に掲げる事由がある場合には、損害保険契約を解除することができる。
一. 保険契約者又は被保険者が、保険者に当該損害保険契約に基づく保険給付を行わせることを目的として損害を生じさせ、又は生じさせようとしたこと。
二. 被保険者が、当該損害保険契約に基づく保険給付の請求について詐欺を行い、又は行おうとしたこと。
三. 前二号に掲げるもののほか、保険者の保険契約者又は被保険者に対する信頼を損ない、当該損害保険契約の存続を困難とする重大な事由
(解除の効力)
第三十一条 損害保険契約の解除は、将来に向かってのみその効力を生ずる。
2. 保険者は、次の各号に掲げる規定により損害保険契約の解除をした場合には、当該各号に定める損害をてん補する責任を負わない。
一. 第二十八条第一項 解除がされた時までに発生した保険事故による損害。ただし、同項の事実に基づかずに発生した保険事故による損害については、この限りでない。
二. 第二十九条第一項 解除に係る危険増加が生じた時から解除がされた時までに発生した保険事故による損害。ただし、当該危険増加をもたらした事由に基づかずに発生した保険事故による損害については、この限りでない。
三. 前条 同条各号に掲げる事由が生じた時から解除がされた時までに発生した保険事故による損害
(保険料の返還の制限)
第三十二条 保険者は、次に掲げる場合には、保険料を返還する義務を負わない。
一. 保険契約者又は被保険者の詐欺又は強迫を理由として損害保険契約に係る意思表示を取り消した場合
二. 損害保険契約が第五条第一項の規定により無効とされる場合。ただし、保険者が保険事故の発生を知って当該損害保険契約の申込み又はその承諾をしたときは、この限りでない。
(強行規定)
第三十三条 第二十八条第一項から第三項まで、第二十九条第一項、第三十条又は第三十一条の規定に反する特約で保険契約者又は被保険者に不利なものは、無効とする。
2. 前条の規定に反する特約で保険契約者に不利なものは、無効とする。


